津波の惨事
去年の3月11日金曜日、日本時間の午後2時46分 - イタリア時間の午前6時46分 - 日本列島で一番大きい島、本州の東京から380キロ離れた東北地方にてマグニチュード8,9度の地震が発生しました。その数分後、震源地に最も近い仙台付近を大きな津波が襲いかかり、死と破壊をもたらしました。
余震が相次ぐ中、津波は次々に被害者を出し、沿岸沿いの数々の町を破壊していきました。
地震発生から、5~6分おきに平均震度5の余震が続きました。日本列島で未だかつて記録された事のない規模の震度で、中国の北京でもハッキリと感じ取れたほどでした。この地震の影響で、地球の回転軸が10cmほど移動しました。
この日本で発生した津波は、プレートが50mも動いたため、16mの高さの波を生み出した結果です。従って、2011年3月11日、日本の東北地方沿岸部を襲った破壊的な津波の原因は、海底プレートの動きによります。この津波の速度は、時速700キロにもおよび、場所によっては40mの高さに達しました。地震観測が始まって以来、日本を襲ったものの中で最大級であり、今世紀では4番目に強い地震でした。
日本では、全ての建築物が耐震基準を満たすように義務づけられているので、建物の崩壊は少なかったのですが、その反面、大多数の死傷者、被害は津波によりました。
仙台の浜辺だけでも、300の遺体が発見されました。数百人の乗客が乗っていた船が飲み込まれ、4本の列車の行方が分からなくなりました。この中の1本は、野蒜市の駅付
駅付近に差し掛かっていて、ちょうどその時、10mの波に飲み込まれました。2本目は岩手県で行方が分からなくなってしまいました。残りの2本も沿岸部を走っていました。その後、福島第一原子力発電所で放射性物質が漏れ出したと報道が伝わりました。
3月11日、東日本列島を襲った津波の半分以上もの被害者は65才でした。災害前、「高齢者」がこの地方の人口の25%を占めていました。読者の多い朝日新聞によると、「彼らの多くは、津波警報が発令されてから逃げる時間がなかったか、人の助けがなければ逃げることができなかったため亡くなりました。」
サンテジディオ共同体と日本
この地震災害から3ヶ月経った後、サンテジディオ共同体の代表者達は、被害地域に訪れました。行方不明者を含めなくては行けませんが、支社は2万5千人以上にも及びます。いまだ捜索は終了していません。
水の勢いは、日本の東北地方の数々の町を飲み込んでいきました。多くは、太平洋沿岸部おおよそ400キロに点在する町でした。
特に仙台の北にあり、大きい被害を受けた陸前高田市を訪問しました。人口2万6千人のうち、4千人の死者、1万5千人が家を失いました。
生き残った人は、大概高齢者です。3生存者の36%が65才以上で、多くの方が家族全て失いました。奥さんを失った46才の戸羽太(トバ・フトシ)市長に会い、3月1日の金曜日の悲劇に付いて聞かせて頂きました。
震災の20分後には、津波が内陸13キロにも及んで襲ってきました。
その後、被害者の方々が日々を過ごしている避難所も訪問しました。また、被害地域がカソリック仙台司教区の管轄であるため、仙台の平賀徹夫司教にも会い、長年に渡って日本と親友関係を築いて来た共同体の親近感を表明しました。
友好と連帯の気持ち
アッシジの精神で1987年に歩み始め、毎年開催される諸宗教と文化の対話で築き上げて来たサンテジディオ共同体と日本の親友関係をもとに、今日ここで我々の連帯感を表明したいと思います。
津波で破壊された市町村に生き残ったお年寄りの事を考え、日中使用できるサポートセンターを思いつきました。検査等を必要する人々のデイ・ホスピタル、そして孤独で見放されてしまったお年寄りのコミュニティー・センターです。高齢者の方々をはじめに、陸前高田市、そして日本への我々の友情の現れであり、また希望となるでしょう。
この発案は、文化的・社会的な研究の要素も含んでおります。このコミュニティー・センターの企画には、世界一高齢者が多い日本 ーその次に来るのがイタリアですー の高齢者の生活状況のデーターを収集する資料館をつくる予定で、これらの資料から今後重要な研究や企画等が制作される事が期待されます。
この企画は、初期の建設作業からその後のメンテナンスは地元の業者に委託することで、地元の産業も再建することも目的にしています。
また職業に関しては、特に若者を中心に考え、このコミュニティー・センターでの雇用が考えられます。医師や看護師、また社会・文化的アクティビティーに携わり人材は、地元の協同組合から派遣され、運営は現地の役所に任されます。
全ては、サンテジディオ共同体と陸前高田市の間で、震災の一年後、2012年3月11日に署名された協定によって取り決められています。この協定は、企画案に記載されています。
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